【ワークあり】アンラーンから始める自己変容——“変われない自分”を抜け出すための思考リセット術

「変わりたいのに、変われない」──その理由は“手放せていない”からかもしれません。
「もっと成長したい」
「自分を変えたい」
「このままじゃダメだって、ずっと思ってる」
そんなふうに思って行動してきたのに、なぜか変われない。
自己啓発も、習慣化も、学び直しも試してきたのに、モヤモヤは晴れない。
それはもしかすると、“学び”が足りないのではなく、“手放し”が足りていないのかもしれません。
学んでも変われない理由
多くの人が「変わりたい」と思ったときに、まずやるのは“学ぶ”こと。
本を読み、セミナーに出て、スキルを身につけ、行動を変えようとします。
でも、変われない。
それは、こういう状態です。
古い自分のまま、新しい何かを詰め込もうとしている。
つまり、過去に作られた「思考のOS」をアップデートせずに、新しいアプリだけ入れようとしてる。
それでは動かないし、不具合が起きてもおかしくない。
だからこそ必要なのが、“アンラーン(Unlearn)”という考え方です。
アンラーンとは、「いったん手放すこと」
アンラーンとは、これまでの経験や思い込み、常識とされてきたものを「いったん横に置く」という思考の姿勢です。
- かつて必要だった「こうあるべき」
- 周囲の期待に合わせた「自分らしさ」
- 成功体験から得た「自分の正解」
…それらは、今のあなたにとってもうフィットしていないかもしれない。
でも、捨てるのではなく“いったん手放す”。
そこから本当の自己変容が始まります。
あなたを縛っている“古い思考”とは?
実は私たちの思考の多くは、「自分で選んだつもり」でいて、無意識のうちに“刷り込まれてきたもの”だったりします。
たとえばこんなもの⬇️
思い込み | 無意識に起こること |
---|---|
頑張れば報われる | 無理な努力を続けて消耗する |
人に迷惑をかけてはいけない | 助けを求められず孤独になる |
一度決めたことは最後まで貫くべき | 方向転換できなくなる |
完璧にやらなきゃ意味がない | 行動が止まる/動けなくなる |
自分らしく生きるべき | 逆に「自分らしさ」に縛られる |
こういった“当たり前”を信じている限り、どれだけ新しいことを学んでも、思考の土台が変わっていないから結果は同じになります。
【ワーク】自分の中の“こうあるべき”を洗い出してみよう
思い込みに気づき、思考を手放すための内省ステップを実践していきましょう。
はじめに
私たちは普段、「自分の価値観」や「判断の基準」は、自分で選んでいると思いがちです。
けれど実際には、
- 親や先生の影響
- 過去の経験からくる防衛反応
- 世間やSNSの“正しさ”の空気
といった外的な要因によって、無意識のうちに刷り込まれた価値観で、自分の行動や選択を制限していることが少なくありません。
このワークは、あなたの中にある、「こうあるべき」「こうしなきゃ」「こうしてはいけない」といった“思考の土台”を可視化し、不要な思い込みに気づいていくためのステップです。
ステップ1:自分の「当たり前」を書き出す
まずは、あなたの中にある「こうすべき」「これはダメ」といった思考を、できるだけ自由に書き出してみましょう。
書き出しテンプレート
- 私は〇〇であるべき
- 私は〇〇をすべき
- 私は〇〇をしてはいけない
- 社会人なら〇〇するのが普通だ
- 成功するには〇〇が必要だ
例
- 人に頼ってはいけない
- 途中で諦めるのはよくない
- 嫌われてはいけない
- 結果を出さないと価値がない
- 何もしていない時間は無駄
- 感情を見せるのは恥ずかしい
- 一度決めたことはやり遂げなければならない
書くときは「正しいかどうか」ではなく、「自分の中にあるかどうか」を基準にしてください。
思いつくまま、気軽に書き出すことがポイントです。
ステップ2:問いかけて深める
次に、書き出したそれぞれの「当たり前」に対して、以下のような問いを投げかけてみましょう。
自分の思考に問いかけるための質問
- この考えは、いつ・どこで・誰から教わったのか?
- これは「本当に自分が望んでいること」なのか?
- 今の自分にとって、これはまだ必要な価値観だろうか?
- 手放したとしたら、どんなことが起こりそうか?
- もしこの思い込みがなかったら、どう行動するだろう?
重要なのは、「正すこと」ではなく「見直すこと」です。
アンラーンとは、思考を壊すことではなく、必要に応じて入れ替える準備をすることです。
ステップ3:手放す候補を見極める
問いかけの後は、書き出した内容の中から、次のような基準で「手放してもよさそうな考え」を選んで印をつけてみましょう。
- 今の自分に合っていない
- 自分を苦しめている
- 他人からの刷り込みだったと気づいた
- 手放すことに抵抗はあるが、本当はやめたいと感じている
すべてを無理に変える必要はありません。
あくまで「自分で選び直す視点を持つこと」が目的です。
補足:実践のヒント
- 書くときは、思考を整えようとせず、素直な言葉で書き出しましょう
- 誰かに見せるわけではないので、自分に正直になって構いません
- 書き出した後、数日置いてから見返すと、新しい気づきがあることもあります
- 気持ちが動いた項目は、深掘りのチャンスです
まとめ
このワークは、あなた自身を変えるために「何かを足す」前に、「今あるものを見直し、手放す準備を整える」ためのものです。
- 書き出すことで、自分の“思考のクセ”に気づく
- 問いかけによって、自分が本当に望んでいることが見えてくる
- 不要な価値観を手放すことで、自己変容の余白が生まれる
思考の整理は、少しずつで構いません。
まずは「自分の中の当たり前を見つめ直す時間」を、今日5分でもつくってみてください。
それだけで、あなたの中に“変わる準備”の土台ができるようになります。
自己変容は、足すことではなく“引くこと”から始まる
多くの人が「変わる=新しい何かを得ること」と思っています。
でも、本当はその前に、「今の自分に合っていない何かをやめること」が必要です。
- 無理に自分を大きく見せるのをやめる
- 他人の期待に応える前提を捨てる
- 正解を探し続ける習慣を手放す
余白ができて、はじめて“新しい自分”が入ってこれる。
これがアンラーンによる思考のリセットです。
今日からできる「アンラーン習慣」
- モヤモヤしたときに「これは自分の思い込みかも?」と問いかける
- 1日1つ、「今日やらなかったことでOKなこと」を決めてみる
- 頭の中に浮かんだ「○○すべき」にツッコミを入れてみる:「ほんとに?」
最後に
あなたが今抱えているモヤモヤや焦りは、「ダメだから」でも「努力が足りないから」でもありません。
ただ、そろそろ“新しい自分に合った思考”にアップデートするタイミングが来ただけのことです。
変わろうとする自分を責めないで、いったん立ち止まり、静かに問いかけてみてください。
「このまま持ち続けるべき考え方だろうか?」
「それとも、そろそろ手放していいのかもしれない?」
その問いの先に、あなたの“ほんとうの変化”が始まっていきます。
まとめ
変化は「足すこと」より「引くこと」から始まります。
私たちは、変わるために新しい知識やスキルを“足す”ことに意識が向きがちですが、実はその前に必要なのは、“今の自分を縛っているもの”を見直し、手放すことです。
それが、アンラーン(Unlearn)という思考のリセットです。
自己変容の第一歩とは、「足す」よりも「削ぎ落とす」こと。
何を手放すかを選び直すことで、これからの自分に必要な思考や行動が、自然と見えてきます。
過去の成功体験や刷り込まれた“当たり前”が、今のあなたにとっては足かせになっているかもしれません。
まずはそれに気づくこと。
そのために、自分の中にある「〜すべき」「〜でなければならない」という前提を、一度書き出して見つめ直してみましょう。
書くことで、曖昧だった違和感が言語化され、「これはもう、手放してもいい」と思える価値観が浮かび上がってきます。
変わろうとするあなたの、そのはじめの一歩は、「学びを加える」ことではなく、「もう必要のない思考を手放す」ことかもしれません。
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